味覚
味覚ってどういうことだろう?曖昧な要素が多いであろうこの感覚は料理における永遠のテーマであるような無いような。人の好みは千差万別というように、Aが好きでBが嫌いな人がいれば、Bが好きでAは嫌いという人もいる。Aを好きな人が全体の90%を占め、残りの10%がBを支持しているとしたら、Aを良しとした人の方が「味覚が優れている」ということになるのだろうか?そんなこともないと思うから、味覚というものがよく分からなくなる。
料理の好みもそうだが、食材そのものについても、その好みは当然各人に存在し、調理法についての好みも当然各人に存在し、味の好みの組み合わせは無限大となり、言わずもがな王様は裸なのだ。全く以て意味不明であるが、自分にとっては意味不明なままのほうがしっくりくる。とどのつまり、「よく分からない」という言葉に収束してしまうのだ。
以前、お酒の研究員というレアな仕事をしていた時に利き酒をしていたのだが、お酒に対する味覚が鋭いとか優れている者に利き酒の仕事を選任していたのかというと、そういう訳ではなく、訓練によって利き酒を可能にさせ、酒質の調整を行っていた。どういうことかというと、先人が作り上げた言葉による表現を用いて味覚を表し、加えて嗅覚を用いた情報をまとめて「利き酒」としていたのだ。この方法で毎日毎日1年程利き酒をしていたら、確かにお酒に対する「味覚」は研ぎ澄まされたものとなったと自負している。
話が若干脱線したが、料理に関しても同じことが言えないのだろうか?料理を食べた時の味覚を言葉などを用いた情報として整理し、素材、調理法といったことを含めて判断すれば、自分のなかでの料理に対する「味覚」は完成に近づいていくように思う。無限大のパターンのある料理だが、か細くても自分のベクトルを持つと、その先に何かが見えるかもしれない。
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